レイジクリックとは?防止策は?
「それらしいボタンやリンクをクリックしても何も有意義なことが起きない現象」のことをレイジクリックと言います。
具体的にはリンクが機能しなかったり、404ページにつながったり、ページの読み込みが遅すぎて利用できなかったり、サイトがクラッシュしたりするのがレイジクリックです。
ユーザーは何回かクリックしますが、何も起きませんからかなりイライラすることになります。もちろんそのままサイトを離脱することでしょう。
特にeコマースブランドの場合、レイジクリックによってサイトから完全に離脱されるのは致命傷です。また、決済ボタンでレイジクリックを起こしてしまえば、せっかく購入するつもりだったユーザーを逃すことになります。
レイジクリックの原因
リンク切れ、ボタン切れ、画像切れなどがレイジクリックの主な原因ですが、サイトの不具合のせいでレイジクリックが発生することもあります。 まとめると以下のような原因があると言えます。
- ページの読み込みが遅すぎる
- リンクなどが破損している
- サイト内のナビゲーションがわかりにくい、不十分
- どこをクリックしていいのかわからない
- サイトの見た目が悪い、使いにくい(サイトの単純化を誤ると起きやすいです)
- 見えないポップアップオーバーレイ(ページの上に表示される広告など)
- メッセージの読み込みが遅い
- サイトのバグ全般
レイジクリックがあると、サイト全体に対してユーザーが失望するかもしれません。また、ユーザーエクスペリエンス(UX、ユーザーがサイトなどでする体験全般)にも多大な影響を与えます(レイジクリックを解消するとUXが改善されます)。
レイジクリックがeコマースサイトに与える影響
レイジクリックをはじめとするUXの問題は、すべてのサイトにとって厄介ですが、特にeコマースサイトにとっては致命的です。UXの低下は、コンバージョン率(アクセス数と登録、購入するなどの割合。例えばアクセス数10で登録数1ならコンバージョン率は10%)や顧客維持率に悪影響を及ぼします。
実際、88%のアクセス者は、サイト内で嫌な経験をした後、そのサイトに再訪しにくくなります。そのため悪いUXは、売上、利益、収益の損失を招きます。また、顧客からの信頼性やブランドに対する認識も悪くなる可能性があります。
ただ、レイジクリックの原因を特定し、それを改善すれば、UXとサイトを最適化していくことができます。レイジクリックを分析することで、ブランドは自社サイトの全体的な機能性をより広い視野で見ることができるようになります。
レイジクリックではない可能性もある
ただ、一見レイジクリックに見えても、問題がないクリックもあります。
多くの人は、ページを読んだりスキャンしたりしているうちに、習慣的に「意味のないクリック」を繰り返すようになります(授業中にペン回しをするようなものです)。また、ズームボタンやボリュームボタンなど、サイト内の特定の要素によって、クリック が繰り返されることもあります。
このような場合、クリックが繰り返されても問題はありません。ただ、「複数のユーザーが、特定の場所を何度も繰り返しクリックする」のであれば、その原因を特定する必要があります。
では、どうすればレイジクリックの原因を特定できるのでしょうか。方法を紹介して いきます。
レイジクリックの原因を特定する方法
最初に「サイトのどこでレイジクリックが発生しているか」を明らかにする必要があります。そのためにはユーザビリティテスト(使い勝手に関するテスト)を行い、行動分析ツールを使うのが最も効率的です。
どちらの方法も、「ユーザーの行動」と「ユーザーがサイトやアプリをどのように体験しているか」についての詳細なデータを与えてくれます。これらのツールは、コンバージョン率と顧客単価を上げつつ、カート放棄(カートに入れたままサイトを離脱すること)と顧客離れを減らすのに役立ちます。
ユーザビリティテストにより、ユーザーのクリックイベント(ユーザーがサイト内をどのようにクリックしているのか)の全体像を把握することができます。
ユーザビリティテストでは、UX担当者が、サイトを利用する人々をリアルタイムで観察します。また、詳細な質問をしたり、ユーザーの声を聞いたりすることで、ユーザーの行動を特定します。
さらに、ユーザビリティテストでは、人々がサイトのどこをクリックするのかを明らかにするだけでなく、「なぜクリックするのか」を突き止めることもできます。
「行動分析ツールの使用」は、サイトのユーザビリティの問題を特定するための、最も効率の良い方法です。ここでは、効果的なツール(機能)を3つ紹介します。
セッションリプレイ
セッションリプレイは、「PCサイトやモバイルサイト、ウェブアプリケーション内などでのアクセス者の行動」を再生する機能です。
複数のページにわたるキーボードやマウスの動き、クリック、タップ、スクロールをキャプチャして、ユーザーの行動をライブ再生のように確認することができます。
これによりユーザーの行動を把握することで、「クリック率を低下させている原因」「ユーザー体験を向上させる方法」「コンバージョンを阻害している要因」などを特定しやすくなります。また、サイトのユーザビリティ、ユーザーの行動、サイトによる顧客への質問対応などについて調査することも可能です。
ヒートマップ
ヒートマップは、「ユーザーが最も多くアクセスしたページと、最もアクセスしなかったページを色分けして表示したもの」です。
ヒートマップは、ユーザーが最も多くクリックするエリアを「ホット(赤色、オレンジ色など)」にすることで、クリック行動の分布を提供してくれます。
「マウスの動き」などのアクティビティも、「特定エリアのホット」に追加されます(特定のエリアを赤色やオレンジ色にするということ)。
「ホットエリア=繰り返しクリックされやすいエリア」ということですから、そこでレイジクリックが発生しているかもしれません。
このようにしてレイジクリックを特定することで、ユーザーの傾向を把握し、ウェブサイトを最適化していけば、「ユーザーとの関係性」と「売上」などを向上させることができます。
フィードバックとVoC(Voice of The Customer)ツール
サイトのフィードバックツールは、ユーザーからのフィードバックに基づいてデータを収集し、ユーザー自身によるカスタマージャーニー(ユーザーが商品を購入してから、再利用・継続・再購入するまでの道のり)に関する正確な情報を提供してくれます。
フィードバックツールは、アクセス者がサイト内のどこを気に入り、「何が有料会員登録・購入などの妨げになっているのか」などを把握するために役立ちます。
同様に、VOC(Voice of the Customer)ツールは、顧客の意見や見解、フィードバックなどを直接収集してくれます。これらのツールには、アンケートのような簡単なものから、予測分析のような高度なものまで、さまざまな種類があります。
これらの方法で収集されたデータは、レイジクリックの原因や、「ユーザー目線でレイジクリックの原因となり得るポイント」をより深く理解するために役立ちます。
まとめ
eコマースブランドの場合、コストや労力をかけてでも「レイジクリックの原因」を明らかにするべきです。レイジクリックについて少し深く掘り下げるだけで、「サイトのUXを最適化するための現実的な方法を特定することができるからです。
また、簡単な変更や調整だけで、UXの質を大きく高め、コンバージョン率や顧客維持率をアップさせることができるかもしれません。
Air360は、eコマースブランドがレイジクリックを追跡し、その原因を改善するために役立ちます。また、ユーザーの行動を理解し、コンバージョン率を高めることが可能です!