顧客獲得コストを削減する10の方法
ブランドは年間売上高の平均12~15%を顧客獲得に費やしており、経営を圧迫する可能性があるため、ほとんどのブランドがこのコストをカットする方法を模索しています。
ただ、製品の価格設定、販売、マーケティング費用など、あらゆるものが顧客獲得に影響しますから、このコストを常に把握することは困難です。
ですが、いくつかの実証済みの方法によって顧客獲得コスト(CAC)を削減し、全体的な利益とビジネスの成長速度を上げているブランドもあります。
それでは顧客獲得コストの定義と、eコマースビジネスにおいてこのコストを削減するための10 の方法について解説します。
顧客獲得コストとは?
「新規顧客を一人ひとり獲得するためのコスト」のことを顧客獲得コストと呼びます。
「顧客獲得コスト=販売とマーケティングに費やした総額÷総顧客数」です。営業メンバーの人件費、制作費、出版、在庫管理などのコストも忘れないようにしましょう。
CAC =販売とマーケティングに費やした合計額 / 総顧客数
顧客獲得コスト削減のための10の方法
それでは、どのようなビジネスでも顧客獲得コストを削減できる、実績のある方法を紹介します。
1. 顧客をセグメント化する
顧客を属性や特徴によって小さなグループにセグメント(区分け)することで、より適切で効果的なマーケティングメッセージを作成できるようになります。
Gartner 社の専門家は、ニーズや価値観に基づいて4~7 つのセグメントを作成することを推奨しています。これにより、サイトの体験、E メールマーケティング、ソーシャルメディアやデジタル広告などを、そのニーズや価値観に合わせて調整することができます。
2. 商品のバンドル(複数の商品をまとめて売る)
効果的な価格設定ができると、売上・利益が2~7%増加するため、e コマースのマーケティング戦略において役立ちます。
商品バンドルは、購入手順を簡単なものにして、マーケティングや販売に関連するコストを削減してくれます。つまり売上を伸ばして、顧客獲得コストを削減することができるのです。
類似商品や補完的な商品をまとめて販売して、「バンドル全体の価値」に基づいて価格を設定しましょう。
3. おとり価格の活用
おとり価格を活用することで、消費者の行動を大きく変えて、顧客獲得コストを削減することができます。
具体的には例えば、3 種類のサイズや品質の製品がある場合、中間グレードの製品の価格を最高グレードの製品よりも少し安くします。すると、お客様は最も高価な製品を選ぶようになります。なぜなら、この選択肢が最も価値があると認識するからです。
別例として、
商品A:200 円
商品B:400 円
商品C(商品A と商品B のセット):450 円
と設定すると、多くの人が「商品C が得である」と捉え、実際に買われやすくなります。
4. ターゲット層を絞り込む
ターゲット層を明確にすればするほど、顧客獲得にかける時間が短くなります。ターゲット層が明確であれば、お客様の心に響くメッセージ(宣伝、誘導、広告など)をより簡単に作ることができるからです。
「顧客ニーズを満たし、問題を解決し、購買意欲を高めるにはどうすれば良いか」を知れば、低パフォーマンスの広告やE メールキャンペーンに無駄なコストをかけることがなくなります。
5. マイクロインフルエンサーに協力してもらう
2021 年、企業はインフルエンサーマーケティングに37 億円を費やしています。これはソーシャルメディアマーケティングの中でも最も人気のある手法です。
ただ、インフルエンサーマーケティングのコストは上昇しており、17%のブランドはマーケティング予算の半分以上をインフルエンサーに費やしています。
ですがeコマースブランドの場合、マイクロインフルエンサー(あるジャンルに特化しして発信しているインフルエンサー)と協力することで、低コストでこのマーケティングができます。
マイクロインフルエンサーは、わずかな費用で(もしくは無料で)ブランドを宣伝してくれますし、顧客獲得コストの削減もできます。
6. A/B広告テストを利用する
A/B テストは、コンバージョン(登録、購入、契約など)を増やし、顧客獲得コストを削減するための最もメジャーで効果的な方法の一つです。
A/B テストを適切に行えば、パフォーマンスの低い広告やランディングページを除外しつつ、最も効果的なキャンペーンのために広告費用を使うことができます。
A/B テストを行う際には、目標を明確にし、コントロール広告(変更前の広告)とチャレンジャー広告(変更後の広告)を選択しつつ、等しくランダムなサンプルグループを作成する(=ランダム性や対象者の偏りが出ないようにする)ことを忘れないでください。
また、A/B テストは継続的に行うことが大事です。例えば「最後にA/B テストを行ってから1年が経った」ともなれば、状況は大きく変わっているでしょうから、テスト結果が役に立たなくなっている可能性が高いです。
7. リターゲティングキャンペーンを行う
サイトを初めて訪れた消費者の約92%は、購入の意思を固めていません。そして、「購入に至らずに離脱した顧客」をターゲットにする(リターゲティング)ことで、顧客獲得コストを削減しつつ、サイトに再び呼び込むことができます。
実際、リターゲティング広告を他のマーケティング活動と組み合わせることで、売上が50%増加する可能性があります。
リターゲティングキャンペーンは、売れ筋商品のプロモーション、新商品の紹介、滞留在庫(今後買われる見込みがない在庫)の解消などに活用することをおすすめします。
8. ロイヤリティ・プログラムを行う
ロイヤリティ・プログラム(ポイントシステムなどのこと)は、多くのeコマースブランドが、顧客の維持と獲得コストの削減のために長年行っている手法です。
最近のMcKinsey の調査によると、有料会員の場合、加入後にさらに購入する可能性が60%高くなり、無料会員でも30%高くなると判明しています。
ただ、ロイヤリティ・プログラムのトレンドは変化し続けていますし、そのトレンドは時に直感に反している場合もありますから気を付けましょう。
9. アフィリエイト・プログラムを用意する
商品・サービス販売を行っているアメリカの個人・法人の40%は、「アフィリエイト・プログラムこそが、最も効果的な顧客獲得方法である」と述べています。
このマーケティング戦略は、インフルエンサーマーケティングやソーシャルメディアマーケティングと融合しています。
アフィリエイト・プログラムによって低コストで売上を伸ばし、コンバージョンを増加させることができます。
アフィリエイターがアフィリエイトを行う手段としては、YouTube 投稿、ブログ記事作成、ポッドキャスト作成など、手頃なものが色々あります。
10. ウェブサイトを使いやすくする
多くのe コマースブランドのサイトは、ユーザーにとって分かりにくいです。そのようなサイトに誘導するために多くのコストをかけても意味がありません。
サイトを可能な限り使いやすくすることで、リピーターを増やしたり、全体の顧客獲得率を上げたりすることができます。
Air360 で顧客獲得コストを削減
あらゆるe コマースブランドにとって顧客獲得コストは重要なものです。このコストをカットするのは難しいと感じるかもしれませんが、今回紹介した10の戦略を実行することで、どのようなブランドでも顧客獲得コストを下げ、ビジネスを成長させることができます。
Air360を使えば、サイトのデータをもとに、マーケティングコストを削減するための具体的な方法を導き出すことができます。
オンページ分析、スマートファンネル、セッションリプレイなどを通じて、「アクセス者の視点でウェブサイトを体験する」ことにより、コンバージョン率(アクセス数とコンバージョン数の比率)の向上させることができます。