3ステップのCROでコンバージョン率をアップさせてビジネスを加速
3ステップのCROでコンバージョン率をアップさせてビジネスを加速
コンバージョン率の最適化(CRO)はビジネスを成功させるために非常に重要です。
「サイトにアクセスした人が顧客になる割合」が高くなるからです。
裏を返せば「アクセスはしたものの購入や登録をしない人」を減らすことが大切と言えます。
Rand Fishkin氏は、「マーケティング活動において最も重要なのはCROである」と述べています。CROで100万ドルを稼いだMozや、コンバージョン率を211%もアップさせたIntuit などの事例を見れば、Rand Fishkin氏の言っていることが正しいとわかります。
CRO には様々なメリットがあります。ここではその中から特にビジネスを後押ししてくれるものを3つ挙げていきます。これを知ることでCROの効果と、それがビジネスをどのように加速させるかについて理解できます。またCROが最も大切なマーケティング活動であるということもわかります。
1. コストをかけずにより多くの顧客を獲得できる
コンバージョン率を最適化することで、より多くの顧客を獲得でき、売上がアップします。CROは「サイト上で購入・登録などのアクションをする訪問者の数を増やすこと」に重点を置いています。
CROの一番のメリットは、「トラフィック(アクセス数など)などはそのままで、追加費用をかけずに、より多くの顧客を獲得できること」です。
そのためトラフィックを増やすことよりも、CROにお金や労力をかけることが大事です。
例を挙げます。
あなたのサイトのコンバージョン率は2%で、1 ヶ月に1000 人のアクセス者がいるとします。つまり1ヶ月あたり20 人の顧客を獲得しているということです。
そしてウェブサイトを最適化し、複数のテストを実行したところ、コンバージョン率が4%に上昇したとします。これでトラフィックは変えずに、月に40人の顧客を獲得できたことになります。
繰り返しになりますがトラフィックを増やす必要はありません。新しいマーケティング活動にお金や労力をかけることもありません。
CROに取り組めば、トラフィックはそのままで顧客が増えます。だからこそCROは非常に重要なのです。
トラフィックを変えなくても、適切にCROをすれば何のトラブルも起きません。
2. 利益の増加
コンバージョン率が上がると利益も増加します。
例えば、コンバージョン率がたった2%上がるだけで、利益が大幅にアップします。事業の拡大、買収、コストカット、ジョイントベンチャー(合弁事業)、マーケティングキャンペーンなどの資金がかかる活動をせずに、売上を上げて、新規顧客を増やすことができるからです。
ただ、CROにもコストはかかります(ツール費用、時間、労力など)。しかし、その分利益もアップしますから問題はありません。
利益 = 収益 - コスト
収益の計算方法は以下の通りです。 トラフィックと平均注文額は同じですが、コンバージョン率は変化しています。コンバージョン率が1%上がれば、トラフィックと平均注文額が全く変わらなくても、収益が10万円増加します。 コストも変わらないので、「収益が10万円増加したこと」により、利益もそのまま10万円増加します。これがCROの威力です。CROさえすれば、他に何もしなくても利益がアップする可能性があるのです。
さらに他にもメリットがあります。
3. 再投資(トラフィックを増やす)
CROで利益が増えたとします。
この利益をどのように使うかが重要です。
結論から言いますが、複利運用をしましょう。
利益をそのまま消費してしまうのではなく、「利益を自分のビジネスに再投資すること」を複利運用と呼びます。
複利運用をすることでビジネスが指数関数的に成長するため非常に効果的です。
利益の再投資によって以下のようなことが起こります。 再投資をすれば、数年後には莫大なリターンがあります。だからこそビジネスを成長させるためには複利運用が重要なのです。
利益を安易に使ってしまわず、ビジネスに再投資しましょう。
具体的には「トラフィックの増加」のために再投資することが大事です。
例に戻って考えてみましょう。コンバージョン率が1%上昇し、収益が50万円から60万円に増加したとします。 トラフィックの増加のために、この10 万円を再投資します。そしてこの投資によってトラフィックを倍増したと仮定します。すると以下のようになります。 驚くべきことに収益が2 倍になりました。
トラフィック以外の部分は、コンバージョン率も含めて何も変わっていません。
「利益の再投資」だけで、収益が指数関数的に増加したのです。 簡単ですよね。稼げば稼ぐほど、再投資をすればするほど、ビジネスが成長します。獲得した資金を使って新たなジャンルに挑戦し、あなたのビジネスを大きく加速させることもできます。 コンバージョン率がたった1%上がるだけで、あなたのビジネスが激変します。
興味が出てきたのではないでしょうか?
しかもビジネスを成長させる要素はまだあります。
オーディエンスインサイトでさらなる成長を
CROに取り組んで利益をアップさせ、再投資によってトラフィックを増加させれば、ビジネスがかなりのペースで成長します。ただ、他の要素は変えていません。つまり、まだ手を加える余地があるということですね。
例えば、平均受注額について考えてみましょう。
平均注文額が1万円から1万500円に上がれば、収益はさらに増えます。 また、顧客生涯価値(CLTV。顧客から生涯に渡って得られる利益のこと。)が上がれば、全体の収益は大きく伸びるはずです。
そして顧客生涯価値を高めるためには顧客を理解する必要があります。
どういうことなのか解説していきます。
まず顧客生涯価値の計算式は以下の通りです。 顧客生涯価値には平均販売額、平均リピート取引額、そして顧客維持期間が関係します。
顧客生涯価値を高めるには、この3つの変数のいずれか、またはすべてを高める必要があります。
ただ、製品の価格を上げることは簡単ではありませんから、平均販売額を大きくアップさせるのは困難です。
そのため顧客維持に関係する、平均リピート取引額と顧客維持期間を上げることが大事です。
顧客を維持するためには、顧客と良好な関係を築く必要があります。つまり先述の通り、顧客を理解することが重要なのです。
そのためにはデータに基づいた優れた顧客体験価値(CX)を提供することが欠かせません。顧客体験価値を向上させることで、顧客維持率、顧客満足度、クロスセルやアップセルが上がるという調査データもあります。 顧客体験価値を向上させれば、とても簡単に顧客生涯価値を上げることができます。
さて、顧客を理解し、顧客体験価値を向上させるためには、データが必要です。顧客が何を好きなのか、どんな商品をいつ勧めるべきか、どんな販売ページを使うべきか、どんなカラーテーマを使うべきか、どんなCTA(具体的な行動への誘導)を使うべきか、などなど。
CROはこれらのデータを提供してくれます。これもCRO の大きなメリットの一つと言えるでしょう。
A/Bテストを実行すればするほど、顧客に対する理解が深まります。そして、顧客が好むものをより多く、しかも簡単に提供できるようになります。
CROを行わない場合、アナリティクスやCRMツールなどから取得できるデータのみで戦うことになります。ですがCROに取り組めば、どんなツールからも得られない多くのデータを入手できます。
例えば、CTAボタンの色を赤にしても効果がなかったとします。この場合、「コンバージョン率を上げたいとしても、赤いCTAボタンは必要ない」と判断できます。こういった情報は、リピート注文を増やしたり、既存の顧客との関係性を深めたりするために活用できます。
CROをすれば、顧客生涯価値を高める「オーディエンスインサイト(アクセス者や顧客の性質、興味関心、サイト内での行動傾向など)」などがわかります。これを戦略に加えれば、あなたのビジネスはさらに成長しやすくなります。
今すべきことは?
CROを始めるのがベストです。
これにより売上、収益、利益が増加します。
CROは、どんなマーケティングキャンペーンよりも重要であり、継続的な施策として欠かせません。
マーケティングによりトラフィックは増加しますが、そのトラフィックを利益に繋げるのはCROです。CROの効果を過小評価しないようにしましょう。
ただ、CROには時間がかかりますし、結果も保証されていません。
コンバージョン率がまったく上がらないまま、的外れな施策を数か月続けてしまう場合もあります。
コンバージョンオプティマイザーを利用してもうまくいかないケースもありますし、結果が出る前に諦めてしまう企業が少なくありません。
しかし、正しい方法で行えば成功する可能性が非常に高いです。
繰り返しになりますがCROに取り組んで、結果が出るまでにはかなりの時間がかかります。だからこそ一貫性を保つ必要があります。
そしてコンバージョン率を上げることができたら、その利益を再投資して、トラフィックを増やす。これがビジネスを指数関数的に成長させていくための鉄則です。
今回紹介した「CROの3ステップ」は、規模、業界、トラフィック、収益などに関係なく、すべてのビジネスに有効です。
スタートアップ企業でも、SaaSの創業者でも、CROを始めてこの3ステップをこなせば必ずうまくいきます。