Ryunosuke
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EコマースにおけるCVR改善の重要性とGAとClarityを使った取り組み方

EコマースにおけるCVR改善の重要性とGAとClarityを使った取り組み方

クリックが売上を左右するEコマース業界では、CVR改善が極めて重要な戦略の一つとして挙げられます。

CVRとはコンバージョン率(Conversion Rate)の略で、Eコマースではサイトの訪問者のうち商品の購入した人の割合や、会員登録をした人の割合などが挙げられます。

Eコマース企業は、売上がデジタルプラットフォームに大きく依存しています。CVR改善はユーザーエクスペリエンスを向上させ、エンゲージメントを高めます。

CVR改善に取り組む代表的なツールとしてGoogle Analytics 4(以下GA4)、Microsoft Clarity(以下Clarity)が用いられます。本記事ではCVR改善の重要な要素を挙げながら、これらのツールを用いてどのように取り組むかを検討します。

Eコマース企業がCVR改善に取り組むべき5つの理由

Eコマース企業がCVR改善に取り組むべき理由について以下の5つが挙げられます。

ユーザー体験の向上

Eコマース企業にとって、ユーザーがウェブサイトにアクセスする瞬間から最終的なコンバージョンまでのすべての体験が重要です。

CVR改善はユーザーの行動、好み、そして課題の理解に焦点を当て、企業はユーザーをコンバージョンに導くシームレスな体験のためにプラットフォームをカスタマイズできます。

収益の推進

Eコマースの最終的な目標は、販売と収益の促進です。コンバージョン率がわずかに増加するだけでも、収益が大きくなる場合があります。CVR改善は、商品ページからチェックアウトまで、オンラインショッピングのプロセスを最適化し、コンバージョンを最大化できます。

競合との差別化

Eコマースサイトは山ほどあります。より多くのユーザーに使ってもらうために、ユーザーを引き付け、かつ継続的に使われる優れた体験を提供する必要があります。

CVR改善により、Eコマース企業はサイトを継続的に洗練させ、競争上の優位性を獲得できます。

コスト効率の良い戦略

CVR改善への投資は、マーケティング活動だけに投資するよりも高い収益をもたらします。既存のアクセスより高いコンバージョンにより、顧客取得コストを削減し、収益性を向上できます。

パーソナライゼーションとターゲティング

CVR改善により、ユーザーの行動、好み、およびユーザー属性に基づいてユーザーをセグメント化(特定のカテゴリに分類)します。このセグメント化により、サイトはパーソナライズされた体験やコンテンツを提供でき、より高いコンバージョンを促進します。

GA4、Clarityを用いたCVR改善の取り組み方

現在無料でCVR改善に使えるツールとしてGA4、Clarityが挙げられ、以下の手順で行います。

  1. コンバージョンの調査:どのページにコンバージョンが多いのか、逆に少ないページはどこなのか確認
  2. 経路の確認:ユーザーがコンバージョンの多いページにどのような経路でアクセスし、離脱している箇所の確認
  3. セグメントの設定:セグメントを設定し、どの層(年齢層、地域など)のコンバージョンが多いのか、少ないのか確認
  4. ユーザー体験の確認:離脱が多い箇所、コンバージョンが少ない箇所のページの実際の動きを確認

こちらの手順をGA4、Clarityで行うには以下の順番で行います。

1.コンバージョンの調査:GA4

GA4では、コンバージョンのトラッキングが可能です。どのチャネル(検索ページ、広告、SNSから来たのかなどの訪問の経路)からの訪問者が最もコンバージョン率が高いかを特定し、最適化や予算の配分を決めます。またコンテンツの閲覧、ニュースレターの登録など、どのアクションがコンバージョンに繋がっているのか分析します。

コンバージョンのゴール設定を行い、現時点でゴール時点からどのくらい離れているのかを把握できるのもGAの特徴です。

参考サイト(2023/9/5確認):

https://support.google.com/analytics/answer/12966437?sjid=6649431969246486320-AP https://support.google.com/analytics/answer/9322688?hl=ja

2.経路の確認:GA4

ユーザーがサイト内でどのような経路を辿っているのかを把握し、ユーザーが離脱する箇所を特定して最適化のポイントを見つけます。

例えば住所の入力の時点で離脱者が多い場合はより住所の入力を簡単にする、支払いの箇所で離脱者が多い場合はより多くの支払方法を設定できるようにするなど挙げられます。 より詳しい分析をしたい場合はClarityを用います。

GA4での経路確認(経路データ探査)の画面、今回はイベントごとの遷移を示していますが、ページ名ごとで表示できます。

参考サイト(2023/9/5確認)

https://support.google.com/analytics/answer/9317498?hl=ja

3.セグメントの作成:GA4

特定のユーザーグループ(購入に至ったユーザー、カートに入れて購入を放棄したユーザー、特定の地域など)や行動に基づいてセグメントを作成し、そのセグメントごとの行動やコンバージョンを分析します。

特定のユーザーグループの行動や傾向を分析できます。全体的なユーザー行動を基にした一般的なデータよりも、より有効な戦略を形成するのに役立ちます。

例えば海外からのアクセスが多い場合はサイトの多言語化を検討するなどが挙げられます。

携帯からアクセスしたユーザーでセグメントを作成した例、上記の画像ではどこの地域からアクセスされたか可視化しています。

参考サイト(2023/9/5確認)

https://support.google.com/analytics/answer/9304353?hl=ja

4.ユーザー体験の確認:Clarity

Clarityはユーザビリティやユーザー体験の向上を主眼に置いたツールです。実際のユーザーの動きをリアルタイムに再現でき、ユーザーの具体的な行動の可視化により、サイトの問題点を特定できます。

"2.経路の確認:GA4"で分析したデータをより詳しく分析でき、サイトの問題点をより明確にできます。Clarityでは以下の項目が確認できます。

ネガティブなユーザー行動の検出 イライラしたクリックやデッドクリックなどのユーザー体験に悪影響を及ぼす行動を検出できます。

ダッシュボードでどのくらいのユーザーに悪影響を及ぼしているか把握できる。

参考サイト(2023/9/5確認)

https://clarity.microsoft.com/insights

実際のユーザーの動きを確認

セッションレコーディングでユーザーの実際の行動を再生して視覚的に確認できます。特に、イライラしたクリックやデッドクリックなどのマウスカーソルの動きを可視化し、ページの問題点を特定できます。

セッションレコーディングの画面で実際のユーザーの動きを確認できる。オレンジ色の線はカーソルの軌跡を示している。

参考サイト(2023/9/5確認)

https://clarity.microsoft.com/session-recordings

ヒートマップ

ヒートマップによりどの部分がユーザーにクリックされているか、どのくらいスクロールされているかなどを可視化できます。可視化を通して、ユーザーの興味やクリックされていない要素、見落とされている箇所を特定できます。

ヒートマップの画像 赤色の部分ほどクリックされている。青色は逆にあまりクリックされていない箇所である。 

参考サイト(2023/9/5確認):

https://clarity.microsoft.com/heatmaps

上記のツールを使っても把握できない点

無料のツールを使ったCVR改善の手法を紹介しましたが、把握できない点がいくつかあります。

商品ページの最適化

GA4の場合、イベントトラッキングを行うためにサイトによっては複雑な設定をする必要があります。

特定のページや要素に関する詳細な設定が不足している場合、最適化するための施策を立てるのが難しくなります。

ユーザーの意図

GA4、Clarityではユーザーがどこで離脱したか、どこを注目したのかまでは把握できますが、なぜ離脱したかは推測しかできません。カート放棄の分析、支払いに至るまでの経路の分析、購入の動機など多くの要因を考慮するべきです。この推測が間違っていると誤ったCVR改善をしてしまう可能性があります。

Air360を使うメリット

私達Air360のDX分析ツール、Air360ではGA4とClarityによる分析では把握できない以下の点が分かります。

ECサイト上の事象がなぜ起きたのか原因を教えてくれる

ECサイトの分析に特化したAir360では、ユーザーのウェブサイト上の行動(クリック、スワイプ等)をもとに、購入しなかった理由や、離脱の原因を簡単に分析できます。

ユーザーの行動の原因まで深堀って分析

ユーザーの行動やユーザーセグメントを自由に設定して自由にデータを深堀れます。Air360ではウェブサイト上の全てのデータを自動でトラッキングしているので分析の情報の精度が高く、且つ誰でも簡単に深い分析ができます。

執筆者 Ryunosuke

WEB業界でのカスタマーサポートの経験を積み、現在はITとAIに関連するコンテンツの編集及びデータ分析に従事。英語圏では「りゅ」の発音が難しく、「るーのすけ」と呼ばれるのが悩み。

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