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CROは予測不可能な時代のビジネスに安定をもたらす

CROは予測不可能な時代のビジネスに安定をもたらす

多くの小売業や e コマース企業が、変化する顧客ニーズやサプライチェーンに関することで悩んでいます。このような状況においてビジネスを安定させるには、CRO ツールを活用することが大切です。

CRO とは「コンバージョン率最適化」のこと。そしてコンバージョン率とは「サイトアクセス数とコンバージョン(購入、登録、契約、アプリのダウンロードなどの成果)数の比率」のことを言います。

例えば「サイトアクセス数 1 万/コンバージョン数 1000」であれば、コンバージョン率は 10%です。

最近の世界情勢は、非常に不安定です。継続するロシアによるウクライナへの侵攻、アメリカ内外の経済不安、アメリカの政治・社会に関する諸問題、深刻化する地球温暖化、長引くコロナ禍など、挙げていけばきりがありません。

米国心理学会は、「現在の世界の出来事の影響により、国民レベルのストレスを心配するべき状態になっている」と報告しています。

ちなみにアメリカ人にとっての 3 大ストレス要因は、インフレによる物価上昇、サプライチェーンの問題、ロシアのウクライナ侵攻とされています。米国心理学会の調査では、「インフレとウクライナ危機は、15 年間にわたる世論調査の中で、最大のストレス要因である」という結果が出ています。また、世論調査にて、「国民が抱えるお金の問題に関するストレスが、2015 年以降で最も高い水準にある」と判明しています。

世界の出来事は DTC e コマースにどのような影響を与えたか?

これらの世界的なストレス要因は、DTC(企業や個人が、製品・サービスなどの企画・製造・販売を全て行うスタイルのこと。代理店や小売店などを使わずに、消費者に直接販売します)の e コマース業界にも大きな影響を及ぼしています。

コロナ禍において e コマースはさらに繁栄しました。しかし今、業界は、「コロナ禍の終息後に(インフルエンザと同程度の脅威になった後に)、成長と収益を縮小させないために何をするべきか」という問題にも直面しています。

さて、近年の世界的な問題が、e コマース業界にどのような影響を及ぼしているかについて簡単に解説していきましょう。

ウクライナ紛争

多くの e コマース小売業者が、ウクライナ紛争によって「物流管理」や「モラル」に関する問題を抱えています。

たくさんの大手企業がロシアでの事業を停止し、e コマースサイトを閉鎖しています。また、世界各国政府の制裁措置により、ロシア経済は急降下しています。

しかしこうした事態は、ロシアと有益なビジネス関係を築いている多くの e コマースブランドを困らせています。

わかりやすく言えば、「空気を読んでロシアが関係するビジネスを停止するべきか、それとも利益のために続けるべきか」などのモラル面で悩んでいる個人・企業が少なくないのです(もちろん一個人・一企業には、それを選択する権利がない場合もあるかもしれません)。

ロシアは世界で最も急成長している e コマース市場の一つであり、人口の 81%が少なくとも月に 1 回はインターネットを通じて買い物をしています。また、ロシアの e コマース市場は、2021 年には 300 億アメリカドル規模に達しています。ちなみに今のところ、ロシアは世界で 9 番目に大きな e コマース市場です。

インフレ率

インフレーション インフレ率の上昇は、e コマース業界にも大きな打撃を与えています。米国の年間インフレ率は「2011 年:3.2%→2022 年 3 月:8.5%」と上昇しており、1981 年以来最高となりました。これによりアメリカドルの購買力は大幅に低下しています。

また、インフレにより人々の消費習慣が明らかに変化していますし、「インフレが継続すれば、消費者の 8 割が買い物の仕方を変える」という予想もあります。具体的に言うと、「全体的に支出を減らす」「まとめ買いをする」「高額な買い物や贅沢品を見送るようになる」などです。

そして残念ながら、インフレはさらなるインフレを引き起こすものです。つまり「インフレは今後も当分は e コマース業界に好ましくない影響を与え続ける」と言えます

サプライチェーンの問題

コロナ禍において始まったサプライチェーンの破綻は、現在も収束していません。それどころか多くの点で悪化しています。そしていまだに「米国外で製品を製造して、それを米国に輸送して、顧客に届けること」は困難なままです。また、原材料の高騰、国際輸送費の上昇、工場の操業停止、港湾の混雑などが、問題を深刻化させています。

サプライチェーン不足による価格上昇は、インフレと同じように人々の消費習慣を変化させるはずです。物価が上昇すれば、顧客は支出を減らそうとしますから、購入するものをより慎重に選ぶようになります。さらに商品が不足して、迅速に出荷することが困難になると、DTC ブランドに対する消費者の信頼が損なわれる可能性もあります。

ただ、サプライチェーンの問題がこれ以上エスカレートすることはないと見られています。とはいえ、この問題自体はまだ続くと予想されています。サプライチェーンの危機は 2022 ~ 2023 年頃まで長引くと予想している専門家が多いです。

厳しい時代に DTC e コマースブランドが成功するには?

厳しい時代にDTC eコマースブランドが成功するには? e コマースブランドが、世界的な問題をコントロール・解決することはもちろんできません。しかし、人々に「自社商品・サービスなどを利用し続ける理由」を提供することはできます。近年の不安定なビジネス環境においては、一人ひとりの顧客を大切にする必要があります。

そのため、あらゆるビジネスにとって、「新規顧客の獲得」と「既存顧客の維持」が重要なポイントになると言えます。

人々に自社利用・継続利用をしてもらうために一番大切なのは、「魅力的で満足できるオンライン体験を提供すること」です。満足した顧客は、より多くの商品を購入し、そのブランドを強く信頼しますから、コンバージョン率を高めることができます。

そして顧客を維持するためには、ウェブサイトの「CRO」と「ユーザー・エクスペリエンスの(UX)向上」のためにコストをかけるのがベストです。

コンバージョン率最適化(CRO)とは?

「すでにあるアクセス量や見込み客をより活用すること」により、インターネットビジネスを長期的・持続的に成長させることができます。そのために重要なのが、コンバージョン率の最適化(CRO)です。

CRO とは基本的に、Web サイトやアプリなどのコンバージョンを向上させるための施策 のこと。言い換えると、CRO とは、「Web サイトの今あるアクセス数などを、より効果的なものにするための作業」です。

CRO では、Web サイトを改善することによって、ユーザーにとっての利便性を最大化し ていきます。そしてこれらの改善は、主に UX 分析によって明らかになったユーザーの行動に基づいて行われます。

また、CRO に取り組む上では、Web サイトにおけるカスタマージャーニー(顧客が商品 やサービスと出会い、そこから購入・契約・登録・ダウンロードなどに至るまでの道筋)の完成度を高めるという発想を持つことが大事です。

そして、ユーザーが狙い通りのアクションをする可能性を高めて(=コンバージョンを増加させて)いきます。つまり CRO に成功すれば、見込み客の「質」が上がる(=コン バージョンまでしてくれる見込み客の割合が上がる)のです。もちろん、収益と顧客維持率もアップします。

ユーザーエクスペリエンス(UX)とは?

UX とは、「ユーザーの体験」のことであり、わかりやすく表現すると「ウェブサイトやアプリを操作した人がどのようなことを感じるか」です。具体的に言うと、「使いやすい」「視覚的な魅力がある」「ナビゲーションが楽しい」などと感じるのであれば、基本的に「良い UX」ということになります。

つまり UX 最適化とは、「ユーザーに、Web サイトやアプリを魅力的であると思ってもら うための取り組み」のことなのです。これにより顧客を維持したり増やしたりすることができます。

そして、「ユーザーが Web サイトやアプリなどをどのように体験し、ユーザーとサイ ト・アプリなどがどのように相互作用しているか」についてのデータを収集・評価することを、UX 分析と言います。

UX 分析により得たデータを利用して、CRO を行えば、UX を向上させることができます別の表現をするならば、「UX 分析をすれば、『UX を向上させるための方法』を、実行可能な形でリストアップできる」ということになります。

CRO と UX の連携

UX と CRO は、「アクセス者の行動を分析し、問題を解決するためにテストをする」という点で、ほぼ共通しています。

そして CRO は「ウェブサイト上で何が起こっているか」を判断し、UX では「なぜ起こっているのか(理由)」を探ります。そして、両者ともに「分析・テスト・適切な Web サイトの変更を通じて、ブランドのターゲット層に対する理解を深める」という目的もあります。

そのため基本的に、CRO と UX を並行しつつ Web サイトの改善点を特定し、その改善策を生み出すことが重要と言えます。

CRO と UX への投資は利益を生む

DTC ビジネスが世界的な課題に負けずに、全体的な成長と収益を高めるためには、CRO と UX にコストをかけることが大事です。実際の統計がそれを物語っています。

優れた e コマース体験をしたユーザーは、より多く購入し、よりそのブランドを信頼しますし、その体験を友人などに教える可能性が高いです。また、世界の消費者の 96%が、「UX はブランドロイヤリティ(企業やブランドを信頼すること)に欠かせない要素である」と回答しています。

実際、顧客維持率が 5%向上するだけで、利益が 25%から 95%増加します。あくまで単純計算ですが、UX のために 1 ドルのコストをかけると、約 100 ドルのリターンがあるのです。

さらに、UX 分析から得られたデータは、パーソナライゼーション(顧客のニーズに合わせて、一人ひとりに提供するコンテンツを変えること)の向上や、高精度にターゲット化したマーケティングをするためなどに役立ちます。

特に決済ページの CRO を改善すれば、「カートに入れたまま放置してしまう」などの理由による収益の低下を防ぐことができます。

まとめ

e コマースの管理者は、「世界的な課題が自社にどのような影響を与えるか」「悪影響を最小限に抑えるために何をするべきか」などを考える必要があります。

その方法として有効なのが UX と CRO なのです。

マッキンゼーは、「UX と CRO にコストをかけると、そうでない場合に比べて 3 倍以上のリターンを得られる」と述べています。

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